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『未来洞察! 防災と探究』①

12月9日〜12月22日は、”防災”をテーマに様々な視点から福島の防災を考える授業を行いました。

東日本大震災からまもなく12年が経とうとしています。現在の高校1年生は当時4歳での出来事。

意外なことに当時について話を聞いてみると、”恐怖”という感情ではなく、”楽しい”という感情が生徒達にはありました。

「体育館に泊まれて楽しかった。」、「家族と一緒に過ごせた時間だった。」など、その背景には大変な状況の中、沢山の大人達が未来ある子ども達を不安にさせまいという努力で生また感情だということが垣間見えます。

高校生として成長した生徒達。今伝えなければいけないことは・・・。

そう考えた時、東日本大震災を通して、「過去・現在・未来」を行き来しながら考えることが重要ではないかと思いました。

また一方的な視点ではなく、多面的・多角的な視点でそれぞれがこの震災について自分ごととして向き合ってほしいと考えました。

そこで「探究」の時間を利用し、「防災探究」と位置付けて2週にわたり授業を展開しました。

まず1週目では、震災当時の様々な視点を養ってもらおうと、関係者をお呼びし、様々な視点から震災当時のことをお話していただきました。

◇消防士(佐藤雅人さん)

消防士の方に来校頂き、震災当時の様子や災害について準備の大切さを学びました。

◇農家(菅野雄一さん)

伊達市でイタリア野菜を育てている農家さん。風評被害や、自然災害の被害について学びました。

◇東京電力ホールディング様

廃炉に向けた進捗や今後の取り組み、そして高校生の素朴な疑問に丁寧に答えていただきました。

様々な視点から話を聞き、高校生という立場で真剣に福島で起こった事実に向き合い始めた生徒達。

自分なりの様々な考えや感情が渦巻く中、最後は原発の被害の現場に。バスを使って”東日本大震災・原子力災害伝承館”および”請戸小学校”の見学に向かいました。

伝承館に向かう途中。さびしい風景が続きます。
伝承館に到着。
震災当時の状況を追体験する生徒達。

◇語り部さん(東日本大震災・原子力災害伝承館)

語り部さんが、当時の状況や避難の様子を語ってくださいました。
請戸小学校。津波の被害のまま補完されています。
校長先生を始め、教員の迅速・的確な誘導により、死傷者はでませんでした。
高台からみる津波の爪痕。その視線の先に何を感じ取っているのでしょうか。

引率した私は当時を思い出し、心を抉られるような感覚を覚えました。今回のこの記事も書くまでにすごく時間がかかってしまったというのが本音です。

しかし見学した生徒達は今までの学習も含め、”福島で起こった歴史”という観点で、自分達の新しい知識として客観的に、そして冷静に受け止めているをという印象を受けました。

震災というテーマで探究を行うことに最初は迷いもありましたが、見学後の生徒の表情を見て、実施して本当に良かったと感じました。

1週目はインプットの時間。2週目は”未来洞察”を含めた”防災探究”の時間となります。