見出し画像

一瞬を切り取り、輝きに変える

プロフィール

ビデオグラファーの佐久間鑑さん

ワンダテフルライフ制作指導

はじめに

本校の卒業生でもある佐久間鑑さん。ファインダーを覗き、その一瞬一瞬を逃すことなく輝かせ、数々の作品を作り上げているビデオグラファーです。
自分の”好き”を仕事とし、映像を通じて笑顔と感動を生み出し続けている佐久間鑑さん。ストーリーを生み出す側のストーリー、ぜひご覧ください。

仕事・取り組みのきっかけ

きっかけという点でいうと小学生の頃からです。家にあったフィルムカメラをおもちゃのように遊んでいた記憶があります。
中学生の頃はスケートボードにハマっていて、その時にお兄さんたちがカメラでスケートボードの動画を撮っているのを見て、自分もカッコいい映像を撮りたいと思いました。
高校生でビデオカメラを手に入れてから、スケートボード以外にも友達と思い出動画などを撮影したりして遊んでいました。高校2年生になったある日、人や動くものを中心に撮影することから、無意識に夕日や木の葉の木漏れ日などの風景を撮るように変わっていきました。その頃から動画に個性が出始め、撮影をする魅力を再確認でき、改めて撮影が好きなんだなと思うようになりました。

仕事・取り組みの内容

主に企業様のPR動画撮影です。企業様毎にヒアリングを行い、それぞれ表現したいもの(イメージ)を映像として”カタチ”にしていきます。企業様のこだわりが一瞬のことでも、映像としてどう切り取り、それを輝かせることができるかが私の腕の見せどころです。
また”ディレクション”というお仕事もさせて頂いております。”ディレクション”とは1言でいえば、動画制作チームを作ること。撮影方法、曲の制作、役者の起用など企業様のコンセプトにあった最高の映像を制作するために最高のチーム創り上げる仕事です。沢山の人が関わるので、全体を取りまとめ、指示や管理をしています。企業様がイメージしている以上の作品をどうやったら創り上げられるか、私も日々勉強しながら仕事と向き合っています。

高校の「探究」についてどう思うか

今の時代に必要な教科だなと思います。今では学力がすべてではないと言われています。実際社会に出て仕事をしていく中で、「学力がある=仕事ができる」ではないと実感しています。
先生には怒られるかもしれませんが、高校時代は化粧は禁止と言われていると思いますが、社会人になると女性はメイクをすることが身だしなみとして”当たり前”になります。動画制作では、男性もメイクをするのが”当たり前”です。
言うことを聞いているだけだと、「なんで?」ということに鈍感になってしまいます。モヤモヤしてどうしても答えがわからない。これは社会でても沢山起こります。それと向き合う力が「探究」にはあると思います。自分なりの答えを見出すことをこの教科でぜひ学んでください。

”ワンダテフルライフ”オールアップ時の記念写真

もし高校生のときに「探究」の授業があったらどういう人に出会いたいか

自分の興味、好きなことである分野で好きな監督さんやカメラマンに会ってみたいと思います。そしてその方達に、どのような道筋で今の職業に進んだのかを聞いてみたいです。私は高校生とき、美術大学に通ってカメラマンになれることを知りませんでした。それを知っていれば、また新しい世界が見えたかもと思っています。もし高校に戻れたら、沢山の大人達にふれ、広い視野を持ちたいです。高校時代に「探究」があったら、もしかしたら今の仕事ではない自分もいたかもしれません。

もし高校生に戻ったとしてチャレンジしたいこと

将来のことや興味のあることに対しての先を見据えた勉強をしたいと思います。高校生でできないと思っていたことも、大人の方を巻き込んで高校時代に挑戦したいです。
後は勉強をしたいです。高校生のみなさんは勉強しなくてはいけない環境だから貴重さを感じないと思います。しかし社会に出て初めて、勉強の大切さがわかりました。そして仕事をしながら勉強をすることの難しさも知りました。高校生は勉強だけに集中できる環境がある。これは学生だけの特権だと思っています。

進路選択で大切なこと

親や先生の意見を取り入れて行動することは大切なことです。しかし、言われた通りに敷かれたレールをなんとなく歩んでいくのは、自分が選んだ納得のいく人生でしょうか。
将来、これから自分は何をしていけばいいのか、何をすればいいのかという壁に直面することもあるかもしれません。そこで大事なことは、自分で考え、自分が納得する答えを出すこと。その答えに向かって行動することで、十年後、二十年後の自分を見失わずに生活していけることができるのではないでしょうか。

つながりはどんなところから生まれてくると思うか

ひたすら”あそぶ”ことです。でも中途半端ではダメです。真剣に”あそぶ”こと。人は”あそぶ”ことによって仲良くなり、新しい人との出会いも生まれます。つながりが生まれれば、相手は自分のことをよく知ってくれているので、迷ったり悩んだりしたとき、様々なアドバイスももらえます。
今の時代、自分が勇気をもって行動さえすれば、様々な方と出会うことができます。何をやったらいいかわからないと思っている人こそ、真剣に”あそぶ”。その先に自分が本当にやりたいことが隠れているかもしれません。

聖光学院高校の学生生活はどうでしたか。(番外編)

当時の学生生活を振り返ると、文武両道を目指して切磋琢磨するクラスメイト達にとても影響を受けた記憶があります。私達の時代の普通科は男子生徒が多く、修学旅行や体育祭などはイベントごとには団結して全力で取り組んでいました。(現在の進学探究コースは女子生徒の方が多いと聞いてびっくりです。)
学校生活を振り返ってみると、今の自分だからわかることが沢山ありました。当時も先生方の厳しさの中の愛は十分伝わっていましたが、社会に出て1つ1つの小さな出来事が繋が理、高校時代のあの出来事の意味がわかる瞬間がいくつもありました。高校生時代に理解できなくても、未来に向けたアドバイスをしてくださっていたんだなととても感謝しています。
私にとって聖光学院での高校生活は、今の自分の基盤になっていると思います。

高校生に向けてのメッセージ

誰がユーチューバーがなりたい職業になると予測できたでしょう。誰がeスポーツという競技で年収1億を稼げる時代を予測できたでしょう。可能性は無限大です。沢山の物事が多様に認められている世の中。だからこそ悩み、苦しむかもしれません。でも自分のやりたいことはきっとあるはずです。今の時代にない、新しい職業の先駆者になってほしいなと思います。

取材後記

昔とは違い、「好き」を仕事にできる時代。だからこそ遊びの中に自分が本気になれることや、将来につながる出会いがあるかもしれない。もっと自分に正直に真剣になり、映像のような正解のない自由なアクションしてみてはいかがですか。

佐久間鑑さんが撮影・編集として参加した国見町の公式短編映画「ふたつの空と」1部・2部です。是非ご覧ください。

短編映像作品「ふたつの空と」2021・2022
国見町では、地域に持続的に関わってくれる関係人口の創出を目指しています。 ワーケーションや二拠点居住、テレワークなど、多様な関わり方を用意しています。 町のPR動画として、9分間の短編映像作品『ふたつの空と』を制作しました。

福島県国見町の公式アカウントYouTubeチャンネル"Kunimi Short Film."より引用