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まちと一緒に「未来を見晴るかす学び」を目指して

プロフィール

国見町の公営塾「放課後塾ハル」の塾長である三好菜月さん

放課後塾ハルのnoteはコチラ▽

株式会社Founding Baseのnoteはコチラ▽

はじめに

"教育"、"まちづくり"を通して子どもたちが「未来を見晴るかす」ことのできる学びを展開しているFoundingBase社員、国見町公営塾「放課後ハル塾」塾長、国見町地域おこし協力隊の三好菜月さん。国見町を舞台に子どもたちを"わくわく"に導く三好さんのストーリーをぜひご覧ください。

地域おこし協力隊って?
地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組みです。

仕事・取り組みのきっかけ

教育業界に興味があったのがきっかけです。大学生の頃から"教育"に関わる仕事をしたいと思っていました。大学卒業後東京の会社に就職した後、"FoundingBase"に入社をしました。
"FoundingBase"は自治体からまちづくりの委託を頂き、事業を行っている会社です。様々な委託事業の中で"教育事業"があり、"まちづくり"の視点で"教育"をどう魅力化していくかという取り組みをしています。
2022年から国見町とのまちづくりが始まりました。国見町の方々と関わり、話していく中で自分のやりたいことを素直にチャレンジしている方々が沢山いて、とても良い町だなと思ったのが印象的でした。
そんな方々と教育を通して未来のまちを一緒に共創していくため、探究やプロジェクト学習を通して"やりたい"や"興味"に取り組める学びを子どもたちに展開したいという思いから、国見町公営塾「放課後塾ハル」を運営しています。

取り組みの内容

国見町公営塾「放課後塾ハル」では小学部、中学部(学習コース・見晴るコース)に分かれて「地域と子どもの未来を見晴るかす」というテーマで公営塾を通じて、子どもたちが自信を持って、自分の未来を切り開いてほしいという想いで国見町にあるCo-learning Space アカリ2Fで授業をしています。

小学部
国見町の小学5年生から小学3年生を対象に週に1度選択した曜日ごとに分かれて授業を実施しています。授業内容はまなびコンテスト、テーマ授業です。

(1)まなびコンテスト
「できない」から「できる」になる楽しいさ面白さを感じてもらえるような、学びを大切にしています。計算編では四則演算の問題を正確かつ速く解いて、競い合うコンテスト形式の学びを展開しています。勉強に対する成功体験を積むことで「勉強をやってみようかな」というきっかけになればいいなと思っています。

(2)テーマ授業
子どもたちの世界が広がるきっかけづくりになればいいなと思い、身の回りにある「なぜ?」「どうして?」の興味・関心のわくわくの琴線に触れる学びを展開しています。

これまでに地球編、音楽編、言葉編、アート編など授業してきました。
アート編について少しご紹介します。絵画や彫刻など数々のアートを知っているものの、その作品のすばらしさにピンとこなかったり、感想を持つことが難しいと感じた経験はないでしょうか?そこでアートの面白さ、世界を授業を通して体感していただく授業です。

中学部
国見町の中学1年生から中学3年生を対象に科目学習コースと見晴るかすコースの2つのコースに分かれて授業をしています。

(1)学習コース
英語と数学を中心に学年ごとに集団授業で学習のサポートをしています。受け身で授業を聞くのではなく、相互にやり取りが生まれるような授業を意識しています。

(2)見晴るかすコース
地域を舞台に子どもたちの興味・関心にチャレンジできるコースです。子どもたちの世界を広げ、新しいことにチャレンジする体験方プログラム。今年度のこのコースのテーマは「好き」で、年間3回のプロジェクトに取り組みます。

①「好き」を探す
〜町の人と「好き」をインタビュー、「好き」に対する問いづくり

②「好き」を試行錯誤する
〜「好き」をテーマにイベント企画

③「好き」を実現
〜自分の「好き」をもとにプレゼン発表

・今年度のプレゼンのお知らせ
「人生において大事にしたいスキは何ですか」を題材に2024年3月23日(土)にスキプレゼンを開催します。

これまでのイベントをいくつかご紹介します。

・「スキフェス 2023」
「見晴るかすコース」の中学生5人が企画した、まちにあふれる「好き」をまるっと、ぎゅっと大集合したイベント。当日は会場であるアカリに予定来場数を上回る200人以上の方が来てくださりました。

・「フミダス!プレコン」
株式会社Founding baseが運営するプロジェクトです。「フミダス!プレコン」は全国にいる中高生たちとオンラインでつながり、協働していきながらさまざまなプロジェクトに挑戦をしていく地域横断型プロジェクトです。自分のやりたいことを本気でプレゼンし、大人の方にヒト・カネ・情報のご支援いただきます。その中でクラウドファンディングも行いました。

・「国見謎解きWALK」
生徒の「国見町の魅力を伝えたい」から始まったイベント。多世代の交流を超えた、国見町の自然・歴史・ローカルプレーヤーに謎を解きながらふれるイベントです。。

・「国見ロゲイニング」
生徒の大好きな国見町を盛り上げるプロジェクト。「国見町盛り上げ大作戦の第1歩としてロゲイニングをやりたい!」から始まったイベントです。地図をもとに時間内に国見町のチェックポイントをなるべく多く回りながら、国見町を身体全体で感じていただくイベントです。

ロゲイニングって?
地図やコンパスを使って、定められたエリア内に設置されたチェックポイントをできるだけ多く制限時間内にまわり、得られた点数を競う野外スポーツ。

探究についてどう思うか

私はまさに"探究"は必要だと思い、国見町で"探究"の学びを展開しています。側から見たら"探究=難しい"と思う人もいるかもしれません。しかし、人生の中で探究的な考え方は自然としていくものです。科目学習となるとすでに"答え"があって"正解"を求めることだけが目的になっていると思います。
果たしてそこに"わくわく"は生み出せるでしょうか?どうせだったら人生、わくわくややりたいことの時間があれば楽しいのではないでしょうか。そして、"わくわく""やりたいこと"は自分の"素直な気持ち"にあると思います。なので、子どもたちには、自分自身のことや社会のことを深く知って"素直な自分"が持っている興味の琴線に触れるきっかけをつくりたいと学びを展開しています。

本校生の探究にも協力していただいております。

高校で「探究」の授業があったらどういう人に出会いたいか

自分のやりたいことを"素直"にチャレンジしている大人に出会いたいです。私は親から大事に育ててきてもらいました。そんな私は親や先生の言う通りにすることが"正解"であり"正義"だと思っていました。
しかし高校生のときに私の考える当たり前が覆されました。それは高校の先輩です。先輩は高校を1年間休学して、スウェーデンに留学しました。高校は3年間で卒業するもの。自分の周りが言うことが"正解"だと思っていた私にとって衝撃が走りました。
その先輩がきっかけとなり、自分のやりたいことに"素直"になってチャレンジすることがかっこいいなと考え方が大きく変わりました。皆さんも自分の枠組みではない、沢山の人に出会って、もう一度自分について深く考えてみる時間を作ってほしいと思っています。

高校生に戻れたとしてチャレンジしたいこと

広い世界を見たいので海外留学にチャレンジしたいです。先程もお話しましたが、私は小さいときから周りの目を気にしていました。そして、言う通りにするこが"正解"だと思っていました。なので海外は楽しそうだな、面白そうだなと思いながらも金銭面的になかなか海外に留学することはできないと挑戦しない自分がいました。なので今自分のできる範囲で留学の説明会を聞いたり、少しでもそれにつながる準備があってもよかったのかと今思います。なので高校生のときにできなかった分を大学生でやろうと頑張りました。そして大学を休学して、教育に力をいれているデンマークに一年間留学しました。大学生でチャレンジできたことは良かったと思いますが、高校生でしか見ることのできない世界や感じることのできる想いがあるので、高校生でチャレンジしたいです。

進路選択で大切なこと

自分の気になった進路へと飛び込んでみることが大切です。進路選択に正解も不正解もありません。高校生のみなさんにとって自分の進路に対して、「親や先生はどう考えているのかな」「こうしたら安心」と考えることがあるかもしれません。でも未来のことなんて結局、やってみないとわかりません。
自分に合っていると思ってやってみても自分に合わなかったり、逆に自分では合っていないと思っていても、やってみたら意外と合うことだってあります。
正解・不正解などないのです。それは飛び込んだ人にしかわからないことです。まずは、自分がこれだと思ったことに思い切ってに飛び込んでみてください。それがみなさんの後悔しない選択となるはずです。

つながりはどんなところから生まれると思うか

自分のやりたいことを言葉にしたり、行動に移したりすることでつながりが生まれると思います。さらに重要なことはそのことを続けていくことです。
自分の想いを表現し続けることで相手に"熱意"が伝わったり、"いいな"と思ってくれる人が現れると思います。誰だって頑張っている人を応援したくなりませんか。不器用でもいい、完璧じゃなくてもいい。そのことに真剣に取り組み。頑張っている姿が人を惹きつけ、つながりが生まれると私は思います。

高校生に向けてメッセージ

私が一貫して言い続けていることなのですが、自分がどうしたいのかをまず第一に考えることです。他人から見てどうかとかこうしたほうがいいとかに振り回されていませんか。自分に素直になれていますか。
自分がどういうときに何を感じるかとか、何しているときが楽しいか、素直に受け止めてみてください。それが社会に出た時のわくわくにつながります。みなさんの人生はこれからです。焦らず、いろんなことにチャレンジしていってください。

取材後記

様々な国見町のイベントに参加してきた私。参加者側として、運営側として様々な角度から参加をして思ったことがある。それは国見町は子どもや大人という枠組みを越えて、つながりがあることだ。
素直な気持ちから生まれる興味や熱意が人を動かす原動力になり、それをカタチにできるまち。そんな国見町って本当に素敵なまちだなと取材を通して改めて感じた。
自分も素直になろうと思いつつ、なかなかなれない自分がいる。私も4月から高校3年生。これからの進路選択では自分に素直で正直でありたい。

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