1歩踏み出した先に見つけた自分の”成解”
プロフィール
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はじめに
高校卒業後に伊達市霊山町にある実家の果樹農園を継ぎ、桃、りんご、さくらんぼを生産している菅野農園の菅野崇明さん。美味しいものを多くの方に届けたいという想いで果物を育てている菅野さんのストーリー、ぜひご覧ください。
仕事・取り組みのきっかけ
私の家では先祖から代々、桑畑を育てて養蚕を営んでいました。そこから私の祖父がりんごの樹を植えたのが果樹農家の始まりです。
高校入学当時はすぐに果樹農家を継ぐことは考えていませんでした。30歳を目処に実家に戻ろうと漠然と考えていましたが、自分の人生を考えた直したとき、30歳になってからでは遅いのではと疑問を感じ、直ぐに農家を継ぐことを決意。覚悟を決めて高校卒業後に1年間果樹研究所に通い、私の農業人生がスタートしました。
仕事・取り組みの内容
桃とりんご、さくらんぼを生産しています。桃とりんごは祖父の代から引き継ぎ、さくらんぼはまだ年が浅く、作り始めてから今年で9年目となります。
お客様に美味しいものを食べていただきたい。果物を通してお客様とつながりをもちたいという想いで、果物をつくっています。
私のこだわりは果物ごとの最高のおいしさを追求することです。ただ甘い(糖度だけにこだわる)だけではなく、果物ごとの本来のおいしさを意識してつくっています。
高校生のみなさんは農業にどんなイメージをもっていますか?昔のイメージのままの人もいるかもしれませんが、農業もどんどん進化を続けています。
例えばIoT機器を使用し、作業の効率化を図っています。自分も含め、若手農家の組織でシステム開発プロジェクトを立ち上げ、畑の気温や土壌水分をスマホを通して知ることができる監視システムを使用しています。
最新技術にはマイナスなイメージがあったのですが、率先して取り入れることで、むしろ作業効率や収穫量が増え、今までより農業に魅力を持ってもらえる可能性があるのではないかと感じ、未知の領域に飛び込む覚悟の大切さを改めて感じました。
高校の「探究」についてどう思うか
とても良い時間だなと思います。高校生にしかできないことをどんどんやって欲しいです。高校生には様々な視野を持ってもらいたいなという思いがあります。探究テーマも人それぞれ。ひとつのことを深く探究するのもいいですし、様々なことを幅広く探究するのもいいと思います。
探究に限界や上限はありません。自分が納得する正解まで突き進んでください。これから高校生のみなさんは様々な道に進んでいくと思います。探究という授業を通して、自分の将来についても必死に納得解(自分が納得できる正解)を探してみてはいかがでしょう。
もし高校生のときに「探究」の授業があったらどういう人に出会いたいか
自分の感性で様々な人に会いたいなと思います。明確な理由をもって、この人に会いたいと思って会うのもいいと思いますが、たまたま出会った人にこんな人もいたなと気づく出会いも良いと思います。
良い大人ってどんな人のことを言うのでしょうか。私の中の答えは高校生のうちにわからなくても大人になった皆さんが後々学べる人のことだと思います。
高校生が大人になったあるタイミングでふと「そうか。あの人のあの時の言葉や行動はこういう意味があったのか。」と、未来の自分の人生に役立つの話や行動をちゃんとしてくれる人だと思います。
これから何百、何千という出会いの中で、自分の未来に思い出し、学び直せるようなそんな大人に私もなりたいと思っています。
もし高校生に戻ったとしてチャレンジしたいこと
恋愛です。もっと自分から積極的に動いていればと思います。私の高校生活は部活動に追われる日々でした。自分から誘うような積極的な高校生ではなかったので、周りに噂が立つような恋愛をしてみたいと思います。
恋愛に限らず、高校時代に失敗を恐れずチャレンジをもっとしていれば、今より新しい気づきや力が身についたかもしれません。
進路選択で大切なこと
高校3年生の時、周りは就活や進学のために頑張っていました。高校当初の私なら、周りに流されていたと思います。しかし私は高校3年生の時に自分の家を継ぐという軸を持っていたので、周りに流されませんでした。
自分の軸を持てたのは、自分の人生について高校生なりに必死に考え、自分と向き合ったからだと思います。その中で重要だなと思ったことは自分が好きなこと。30代に自分の家を継げばいいと考えていた自分ですが、やっぱり小さい頃から見ていた農業が好きでした。そして好きなことは訪れる様々な困難も乗り越えられる力になります。
自分と人生について考えたり自分と向き合うことはとても勇気のいることですが、その時間が長ければ長いほど、自分自身が自分を一番知らないということに気づくはずです。そしてその中に本当の自分の好きが隠れていると思います。
つながりはどんなところから生まれてくると思うか
つながりというものは自分が積極的に動いていれば、いずれは誰かとつながると思います。まずは行動することが大切です。1歩1歩と動き出して、動きを止めないなければきっと自分を応援してくれたり、協力してくれる人に出会えると思います。
しかし動きを止めてしまったら途端に繋がりは途絶えてしまいます。こうして今この記事を読んでいるそこのあたなはまず1歩を踏み出していると思います。その1歩を大切に、歩みを止めず動き続け、是非高校生のうちにつながりを生み出してほしいなと思います。
大人が上とか高校生が下とかはありません。同じ人です。むしろ高校生の熱い思いに応援している大人は沢山います。大人もそうですが、皆さんも大人の悪いイメージの先入観に縛られているかもしれません。まずは行動して、様々な人と話してみましょう。
高校生に向けてメッセージ
今の高校生はイケていて、ユーモアで溢れていると思います。色んなものが揃っていてありふれた社会。可能性は無限大です。
自分で発信したいことを伝えることも今の時代では可能です。環境に縛られず、殻に閉じこまらず、大海原にまずは飛び込んでみてはいかがでしょうか。
そしてこれが自分なんだとありのままの自分を表現してみてはいかがでしょうか。そこで繋がった人たちが、年齢や国籍の壁を超えた本当の親友なのかもしれません。
取材後記
今や簡単に自分を表現できる時代。表現すること、それはアクションを起こしていることと同じで、アクションを続けていけば次への道はきっと見えてくるはず。
自分の固定観念を打ち破り、新しい世界へ勇気を持って踏み出しませんか。