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大震災後の私の転機!地域への貢献を実践する取り組みとは

プロフィール

一般社団法人つむぐるカンパニー
一般社団法人だてものや
代表の小林誠さん

一般社団法人つむぐるカンパニーが運営するサイト「くらりだて」はコチラ▽

本コースと月1回、果物や野菜販売をまちづくり伊達にてで実施しています。▽

本コースの探究授業で6次化商品を開発する「6次化塾」にも参加いただきました。▽

6次化商品って?
農林漁業者が生産(1次産業)だけなく、加工(2次産業)、流通販売(3次産業)に取り組むこと。商品への付加価値、雇用の場の創出、地域の活性化につながる。

はじめに

一般社団法人つむぐるカンパニー及び一般社団法人だてものや代表の小林誠さん。はじめは福島の魅力に気づかなかったと話す小林さん。あるときを境に福島の魅力に気づき、地域に関わる仕事をしたいと東京から福島にUターン。伊達市の魅力を現在進行形で発信いし続けている小林さんのストーリーをご覧ください。

仕事・取り組みのきっかけ

東日本大震災がきっかけです。
私は地元福島から大学進学で上京しました。大学時代のボランティア活動によって、なんとなく地域と関わるお仕事をしたいなという気持ちはありました。
しかし行動には移すことはできず、就職活動を東京で行い、地域と関わる仕事とは無縁のサラリーマン生活を送っていました。
そんな時、東日本大震災が起こります。私は復興ボランティアの参加をきっかけに週末は福島に戻るようになりました。若い頃の私は福島の魅力をあまり感じませんでした。福島を改めて見る・知ると、食べ物の美味しさ、自然の豊かさ、温かい人々という福島の魅力に気づくことができました。
そこで私は思い切って行動することにしました。大学生時代の地域に関わる仕事をしたいという想いを実現するべく、伊達市の地域おこし支援員(地域おこし協力隊)となり、任期の3年間活動しました。それが私が現在やっていることの根っことなっています。

地域おこし協力隊って?
都市地域から人口減少や高齢化等の進行が著しい地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援。住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組みです。隊員を任命する活動内容・条件は各自治体によって異なる。任期は1年以上3年以内。

仕事・取り組みの内容

一般社団法人つむぐるカンパニーは、主に2つのことを行なっています。
1つ目は伊達市の移住コンシェルジュです。伊達市の移住に関する相談・サポートを行っています。同時に観光ガイドも行なっています。地域に眠る魅力を発見できるように支援を行っています。繭の繊維一本一本を編んでいくように、地域内外のたくさんの人・こと・ものを紡げるように活動しています。
2つ目はFTTというプロジェクトです。FTTとは”ふるさとティーチャリングプロジェクト”の略です。首都圏在住の大学生たちが、伊達市の子どもたちや地域のみなさんと一緒に勉強・運動・遊び・農業を通して伊達市と関わり、交流支援を行なっています。現在はFTTを発展させたFTT collegeも動かしています。FTTでは大学1・2年生が中心の活動であり、活動を卒業してしまうと、伊達市との関わりがなくなってしまう課題から、大学3・4年生や社会人の方に向けたのプロジェクトです。参加者の興味・関心と伊達市をより親密につなげるため農作物の加工・企画・販売などより実践的な活動をしています。
一般社団法人だてものやでは、地域の農家さんとワイン用ぶどうの栽培やジュース、無添加・無加糖のドライフルーツやそれを使った焼き菓子づくりなどを加工・販売しています。地域の様々な人を巻き込み、それをみんなで”カタチ”にしています。

FTTの活動内容はコチラ▽

FTT college の活動動画はコチラ▽

探究についてどう思うか

とてもいいと思います。私が学生の頃は探究みたいな授業がありませんでした。やはり、いろんなことを経験したり、いろんな人と会うことは楽しいし、視野や選択肢が広がると思います。特に福島だと東京に比べて情報が限られているため、様々な選択肢や可能性があるのに、それを知らないまま学生時代を送ってしまう人が多いと思います。
選択肢や可能性を広げた上で、自分がやりたいこと、好きなことに没頭できる探究の時間は羨ましいです。わからない・知らないだけで自分のフィールドにとどまることはもったいないと思います。探究の時間を通して、自分のコンフォートゾーンを抜け出し、今までと違ったフィールドを見てみるのはいかがでしょうか。

小林さんの加工場にてフィナンシェ作り体験
あんぽ柿を混ぜ込んだフィナンシェです。

もし高校の授業で探究があったらどういう人に出会いたいか

何か手に職を持っている方にお会いしたいです。私は普通科の高校に通っていて、中学の延長線上のような生活でした。学校と社会では異なるところが沢山あります。
学校のテストは正解が決まっていて、どう効率よく覚えるか、解けるようにするかですが、社会では正解のない中、自分で試行錯誤して成解を出していかないといけません。
私も果物を加工してお菓子を作っていますが、自分やお客さんが求めるお菓子ができるまでは試行錯誤の連続です。そういう手に職を持っている人のお話やつながりを持ちたいと思います。皆さんには沢山の大人の方と出会える探究の授業を大切してほしいです。

もし高校生に戻ったとしてチャレンジしたいこと

アルバイトをしてみたいです。私の高校生活は部活ばかりで学校と家の往復しかしていませんでした。そんな生活だったので、人との関わりも学校と家族というコミュニティだけという狭いものでした。私が高校生のときは探究心もなかったので、大人が働いている社会の場をアルバイトで見て、経験して、学びたいと思います。

進路選択で大切なこと

自分の気持ちに素直になってほしいということです。家族や先生、周りの人に「こうしなさい」「こうしたほうがいい」と言われることが多々あると思います。もちろんそれをアドバイスとして取り入れてもいいですが、もしその選択が自分の望む結果にならなかったときに人のせいにしたり、自分の逃げ道をつくりたくなるかもしれません。だったら自分の気持ちに素直になってやって後悔したほうがいいと思います。みなさんは若いと思うので、その若さを最大限に活かして挑戦してみてください。

人とのつながりはどんなところから生まれると思うか

やりたいことをやり続けていけば不思議と自然とつながるものです。たとえまだつながれていなくとも、やりたいことに取り組むその行動が人とつながるきっかけになります。あせらず、目の前のことに一つひとつを取り組んでいってほしいと思います。

高校生へのメッセージ

やりたいことを全力で楽しんでやってください。どんなに小さいことでもいいですから、自分のやれることからやってみる、その積み重ね、経験が大事です。知識だけでなく多くの「経験」をしてからが自分の成長への幅が広がっていきます。一歩踏み出すのに勇気がいることかもしれませんが、踏み出してみると発見が見つかるかもしれません。

取材後述

地域と関わり、小林さんが思う地域の魅力を経験・体験として伝えている姿に自分も探究の魅力を伝える身として近しいものを感じた。私も記事を通して探究の魅力を高校生に伝えていきたい。記事を読んでいるあなたにこの思いが届きますように。