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ファーストペンギン

2022年5月27日(金)5・6校時目
進学探究コースは、イタリアのミラノとリモートで繋ぎ、NY大学1年生の菊田隆一郎さんとの特別授業を行いました。本校ホームページに詳細が載っておりますので、授業の内容についてはこちらをご覧ください。↓

noteでは、彼との出会いやこの授業にいたった経緯をお話したいと思います。

菊田隆一郎君の記事↓

菊田隆一郎君のnoteはコチラ↓



1.ついに実現した菊田君の授業

ついにこの日がやってきた。昨年から交流があり、彼は今年ニューヨーク大学へ。聖光学院高校は、今年から進学探究コース1期生が入学。そして私は進学探究コース長。お互いが新たなスタート。そんな彼を進学探究コースの「探究Ⅰ」の時間に招き、是非授業をしてほしいと依頼した。彼は笑顔で快諾してくれた。
日本とニューヨーク。時差は13時間。打ち合わせを何度も重ね、沢山の方々にアドバイスをいただき、ついに完成した彼オリジナルの探究授業が完成した。

2.彼との出会い

菊田隆一郎君との出会いは、昨年の9月。学科再編に伴い、次年度から学校設定科目として「探究Ⅰ・Ⅱ」という教科が行われる聖光学院。私にとって”未知の教科”と向き合っている中、私より難しい”未知の教科”に向き合っている方々に出会った。
そのテーマはなんと”未来”。しかも教科実現に向け、本気で取り組んでいるのだ。

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「なんとも壮大。しかも面白そう。」そう考えた私は、私の”何か”を変えられるかもしれないと思い、未来科編集室の門をたたいた。

3.菊田君との出会い

未来科編集室は、ここ数十年の間、学校という枠組みの中でしか生きていこなかった私にとって、”絶望”と”希望”が混在した不思議な感覚の場であった。
”絶望”という意味では、集まっている方々の知識の量。飛び交う言葉が日本語なのに、外国語に聞こえてしまうほどだった。知識のなさを痛感し、当初は「果たして私がこのテーブルで議論に参加してもいいものなのだろうか。」という思いだった。
しかし、”未来”という誰も明確に答えられないことと向き合い、それをどうすれば教科として学校に取り入れられるかという議論のため、どんな発言も不正解ではなく、その発言に対し全員が向き合い、議論するやりがいという”希望”があった。
とはいえ、私にはわからないことばかり。そんな中、わからないことでも時間を割いて丁寧に私の伴走をしてくれたのが、菊田隆一郎君であった。
年齢なんて関係ない。未来科編集室で出会ったその日から、彼は私の師であり、友であった。

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4.三瓶先生、未来の授業作りませんか?

未来科編集室から、「教科未来の授業を一緒に作りましょう。」というお誘いがあった。今までの私なら、絶対に断っていただろう。しかし、私の”何か”を変えたいという思いと、菊田君を始め、未来科編集者の方々がいれば、面白い・ワクワクする未来の授業ができるかもしれないと、シラバス作成へ着手した。
年を重ねると、指摘される機会が少なくなる。しかし、未来科では年齢も職歴も全く関係ない。徹底的に指摘され、それについてまた議論する。
「ワクワクしませんね・・・。」
授業を抽象的にイメージするとワクワクする。しかし、いざシラバスや授業に落とし込むと、途端にワクワクがなくなる。99%出来上がっていたものを、また0に戻し、考える日々が続いた。
「三瓶先生らしい。面白いじゃないですか!」
未来科編集室から授業案のOKが出たのは、授業実施の3日前。今まで散々の議論をしてきたので、この言葉は素直に受け取ることができ、自信へとつながった。

そしてついに、昨年の進学コースの3年生に私が考える未来の授業を実施した。

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5.授業を終えて

私が考える”未来の授業”が終わった。今までの授業とは違った感覚。伝わり方も生徒の状況によって様々であったと思う。全く伝わらなかった生徒もいるかもしれない。しかし、生徒の思考の点の1つとして刻まれ、未来の無数の点に出会った時に線や面につながる1つの要素になればと思って授業をした。
何を成果にするかはわからないが、生徒の授業アンケートで、「どう表現していいか今はわからないが、大切なことを教わった気がする。」と言う感想がとても印象であると同時に、未来の授業をやって本当に良かったと思わせてくれた。

6.私もファーストペンギン

未来の授業が終わっても、近況や相談で彼と交流が続き、進学探究コースがついに始動する4月。是非彼の学んでいる今しかできない授業をしてもらえないかと依頼をし、この日を迎えた。
そして彼の2時間の授業が終わった。最高だった。進学探究コース1期生であること、菊田君が今学んでいること、私が進学探究コース長であること。どれが欠けていてもできない授業だった。
来年の今頃、2年生となった進学探究コースの生徒と菊田隆一郎君がリモートではなく、この聖光学院高校で再会する。
ファーストペンギン達は、これからどのような成長を遂げているだろう。菊田君はどんな成長を持ち帰って来てくれるのだろう。そして私自身、どんな思いでその場に立っているのだろう。

今から”ワクワク”が止まらない。

普通科進学探究コースの”伸化”は止まらない。

授業の様子↓

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授業の様子は新聞にも掲載されました。
福島民友:2022年5月27日↓

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福島民報:2022年6月6日↓

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