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ファインダーを覗いた先にしか見えないコト

プロフィール

子育てをしながらフリーカメラマンをしている加藤美由貴さん

はじめに

いつでもその瞬間、思い出に立ち返ることのできる写真を収めるカメラマンの加藤美由貴さん。興味から"想い"を引き出し写真で表現し続けている加藤さんのストーリーをご覧ください。

取り組みのきっかけ

写真を撮る楽しさに気づいてしまったのがきっかけです。もともとスマホで写真を撮っていましたが、子どもが生まれてから家族の写真を残したいと思うようになりカメラを買いました。でもカメラを使いこなせず、しばらく眠らせていました。前職でオンラインショップの物撮りをカメラで撮るようになりました。そのことがきっかけでカメラの講座を受講して学ぶようになり、更にカメラの世界にのめり込みました。学べば学ぶほど奥が深く、楽しいです。

取り組みの内容

私は現在、出張カメラマン、写真教室等のイベントを通してカメラの仕事をしています。

(1)出張カメラマン
福島市、郡山市、仙台市をメインに活動しています。撮影している内容はプロフィール写真、家族写真、遺影写真、です。全ての写真撮影で心がけていることは相手に興味をもち、相手に寄り添い、相手の気持ちを引き出すことです。

①プロフィール写真
撮影前に一度打ち合わせをして、何のための写真に使用するのか、その方の想いをヒアリングして撮影しています。撮られる側は撮影されることになかなか慣れないものです。私も撮影される方は苦手であり、ぎこちない表情で写真になってしまったことが何回もあります。当日の緊張や不安をなるべく減らしてほしいのでコミュニケーションを大事にし、その中の日常の自然な表情を切り取れるよう心がけています。

②家族写真
家族と一緒に過ごせる時間は本当に限られています。そのため、定期的にご家族の姿を残してほしいです。家族写真は撮影をきっかけに、家族一緒の思い出を残せる大事な時間です。撮影だからこそ恥ずかいくも伝えられう言葉、「大好きだよ」とか「いつもありがとう」という言葉。そんな言葉を紡ぎつつ、それぞれのご家族の素敵な瞬間が残せるよう撮影します。10年、20年と時間を経て、その時の楽しかった記憶が呼び起こせるような写真を撮ろうと心がけています。

③遺影写真
遺影写真はその方の生きた証です。その人の顔が人生を物語っています。その人らしい表情を残したいと思い、撮影を心がけています。

(2)イベント(こども写真教室)
2023年11月11日に国見町のりんご畑で子ども写真教室を福島で初開催しました。テーマは「らしさは人をつなぐ」です。写真が好きだから始まったカメラマン人生。今までたくさんの人とつながり、活動してきました。そんな自分らしさ、好きにフォーカスすることで生まれるつながりをこどもたちにも体験してほしいという想いから開催をしました。

探究についてどう思うか

すごくいい活動だと思います。私が高校生の頃、「自分で何かを成し遂げたい。」「好きなことをしたい。」という気持ちはありました。でもその"何か”を学生時代に見つけることはできませんでした。
"探究"という授業の中でいろんな人と出会い、たくさんのコト・モノに触れ、視野が広げられる時間がある今の高校生が羨ましいです。将来進むべき道を決める高校生にとってとても貴重な時間だと思います。探究の時間を当たり前にある授業だと思わず、自分を深く知る手がかりにする有意義な時間にしましょう。

高校で「探究」の授業があったらどういう人に出会いたいか

自分の住んでいる地域の人と出会いたいです。「どんなお仕事をしているんですか?」「お仕事は楽しいですか?」などお話を聞いたり、関わる機会をもちたいです。その中で社会を知ったり、自分なりの働くことの意味を見出したいです。今の私は「働くこと=周りにいる人を豊かにする」ことだと考えています。なので高校生で「豊かにするために自分にできること」を考えることができたら、選択肢も広がり、素敵な大人になれた気がします。

高校生に戻れたとしてチャレンジしたいこと

勉強をしたいです。勉強をやる意味が上手く見出せない高校生もいるかもしれません。私もその一人でした。しかし、社会に出てからたくさんの世界を見て、今は学びたいことでいっぱいです。
私は現在、仕事と子育てを両立しています。楽しく充実した日々を送っていて、学ぶ時間は朝早くか夜遅くにしか自分の時間がとれません。しかし高校生なら学ぶ時間はたくさんあります。それは大人になって今、気づいたことです。学ぶことだけに集中することができる学生時代。人生にたった1度しかない高校生という時間を大切に使ってほしいなと思います。

進路選択で大切なこと

自分にとって後悔しない選択をすることだと思います。写真を例としてあげると、きれいな写真を撮れていても表情がイマイチ、ブレていても楽しそうな表情の写真が撮れたとします。きれいな写真が撮れたとしてもそれは良い写真なのでしょうか。私はたとえブレていても感情がのっている写真のほうが、後々見た時に心を動かすものがあると考えています。「探究」と一緒で、写真にも100点満点はありません。では、何で決めるのか。それは自分が納得するまで写真を撮り、後悔しない写真をお客様に提供すること。最後は自分がどう思うのか。自分が後悔しない道を自分で選択してみてください。

つながりはどんなところから生まれると思うか

らしさは人をつなぎます。取り組みの内容でもお話した通り、私の写真が好きという想い、自分らしさが人と人をつないでくれました。自分から見た景色、自分が大事にしていること、好きなコト・モノ。自分らしいありのままの姿を映し、発信していくことで同じ価値観を持った者同士が惹かれ合い、つながっていくと思います。つながりには行き止まりも一方通行もありません。らしさを大切に自分の心に留めることなく、発信し続けましょう。

高校生へメッセージ

学校という枠組みだけでは比べないでほしいです。学校の中では規律があり、クラスがあり、みんなと合わせないといけない場面が多々あると思います。社会で生きていく上ではそれも学ぶべき重要なことです。
しかし社会に出たら自分を出すことも重要なことだということを忘れてはいけません。これからの皆さんの時代は自分を出すということが人に合わせるということより重要な時代となってくるでしょう。
自分とは何者なのか。それを自分で相手に伝えることができますか。そのヒントが自分の好きなこと、興味のあることの中にきっとあるはずです。自分を殺さず、自分の好き貫いてください。人生100年時代。自分が後悔しない選択をして、自分が幸せだと感じる人生を歩んでほしいなと思います。

取材後記

カメラ仲間であり、師匠である加藤さん。イベント撮影で共に撮影し、気づいたことがある。加藤さんはその人自身の心の中の"温かさ"を撮っているように感じていた。なぜそのような写真を撮影できるのか。それは加藤さんが相手に対する"興味"であると気づかされた。私もこの探究で相手への"興味"を持ち続けていきたい。


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